2018年4月25日水曜日

予告:マカッサル国際作家フェスティバルに和合亮一氏が参加

インドネシア・スラウェシ島にある都市マカッサル。筆者ものべ8年半住んでいた、人口100万人のこの地方都市では、2011年から「マカッサル国際作家フェスティバル」(MIWF)が開催されています。

今年は8回目、5月2~5日、海に近いロッテルダム要塞公園をメイン会場とし、市内各所にサブ会場を設け、様々なセッションが繰り広げられます。下の写真は、昨年のフェスティバルの様子です。


マカッサルやその他のインドネシア国内のほか、オーストラリア、シンガポールなどの海外から様々な文学者が出席し、知的刺激に満ちた活発な活動が繰り広げられます。

筆者は、これまでほぼ毎年出席し、その様子は、ブログでこれまで紹介してきました。以下に、昨年のフェスティバルに関する記事のリンクを貼っておきます。

 国際作家フェスティバル、テーマは多様性

 2つのセッションでパネリスト

 動く動く移動図書館ほか

 国際作家フェスティバルのフィナーレ

今年のテーマは、Voice and Noise、です。2018年の統一地方首長選挙、2019年の大統領選挙と、政治の騒がしい季節を迎える中で、市民社会が批判的かつ明確な声を上げ続けていくことが必要だ、という主張を出していきます。


そして、今年のフェスティバルには、福島の詩人・和合亮一氏に参加していただくことになりました。和合氏には、フェスティバルのなかで、震災後から現在に至る福島の声を伝えていただき、詩の朗読もお願いする予定です。


上の写真は今年2月、マカッサル国際作家フェスティバルの主宰者であるリリ・ユリアンティさんを福島にお連れし、和合氏と面会したときのものです。

ちなみに、和合氏については、『現代詩手帖』2018年4月号で特集が組まれています。


福島とインドネシアをつなぐ・・・。今回はマカッサルですが。これが第1弾です。

併せて、実は、今年、マカッサルから文学者を福島へ招聘する計画もあります。

今回、和合氏が伝える福島がマカッサルでどう受け止められるか、そして和合氏はマカッサルから何を感じて福島へ何を持ち帰るのか。

筆者が震災後、ずっと願っていた、和合氏のインドネシアへの招聘を実現できることになり、言葉に表せない喜びと、何が起こるかとワクワクする気持ちが湧いてきます。

もちろん、来週開催のマカッサル国際作家フェスティバルの様子は、本ブログでしっかりお伝えしていきます。乞うご期待。

2018年4月23日月曜日

よりどりインドネシア第20号を発行

4月23日、情報ウェブマガジン「よりどりインドネシア」第20号を発行しました。以下のサイトにて、読者登録のうえ、ご覧になれます。

 よりどりインドネシア第20号

「よりどりインドネシア」は、いくつものインドネシアを日本社会にもっと知ってもらうことを目的に、毎月2回、私が発行しているウェブマガジンです。

今回の「よりどり」は、以下の4本です。

ジョコウィ大統領は2018年3月26日付大統領令2018年第20号に署名し、外国人就業に関する規制緩和を実施しました。また、これに関連して、インドネシア国内の大学において、外国人教員の長期正式雇用を進める方針を打ち出しました。今回の措置は、中国人就業者の増加と絡んでいる部分があるため、「ジョコウィ政権は中国寄り」との批判をさらに強める可能性があります。本稿では、そうした背景と問題について解説しました。

中ジャワ州ウォノソボ在住の神道さんの好評連載の第4回です。今回は、神道さんの日常生活のなかで出会う人々の「暗闇」に対する感覚を取り上げています。我々現代の日本人の明るさに関する感覚との違いを感じていらっしゃいますが、もしかすると、それは昔の日本人が持っていた「暗闇」の感覚に近いものがあるのかもしれません。神道さんの名調子と合わせて、ぜひ、ご一読ください。


インドネシア在住でインドネシアの歌の好きな方ならよくご存じの「リソーイ」。この曲の作曲者がナフム・シトゥモランだということをご存知の方は、どれほどいらっしゃるでしょうか。私も今回初めて知った、ナフム・シトゥモランの生涯について、先週発売の『テンポ』の記事を参考に書いてみました。今後も、「忘れられたインドネシア人」を発掘し、取り上げていきます。

「よりどり」では、筆者がインドネシアで食べてきた美味しいものを色々紹介していますが、今回は、ボゴールで食べたマカロニ入り焼きグラタン、マカロニ・パンガンです。ボゴールに行かれたら、ぜひ、MPへ立ち寄ってみてください。



「よりどりインドネシア」は、ウェブサイトからクレジットカードにて読者登録いただく方法以外に、銀行振込も可能です(6か月分または1年分まとめてのお支払いとなります)。銀行振込の場合は、毎回、PDF版を指定メールアドレスへ送らせていただきます。請求書、領収証も発行いたします。

また、皆さんからの「いくつものインドネシア」に関する原稿の投稿も募集しております(薄謝ですが原稿料もお支払いします)。

なお、第0号から第19号までのバックナンバーは、こちらからご覧いただけます。

 バックナンバー

引き続き、「よりどりインドネシア」をよろしくお願いいたします。

2018年4月18日水曜日

ふくしま百年基金設立発起人になりました

少し前の話ですが、4月7日、郡山市民文化センターの会議室で開催された、ふくしま百年基金設立発起人会に出席しました。


ふくしま百年基金の話は、3月7日にふくしま連携復興センターの山崎氏と斎藤さんに出会い、設立発起人となることを強く勧められました。そして、趣旨に賛同し、その場で登録用紙に必要事項を記入し、ささやかな額の出資金を払って、簡単に設立発起人になったのでした。

ふくしま百年基金とは何か。ホームページはこちらです。

 ふくしま百年基金

簡単に言えば、コミュニティ財団というか市民ファンドというか、市民の寄付によって集めた資金を市民のために使うための基金、ということになります。

ふつう、財団とかファンドとかいうと、企業のフィランソロピーやCSRの一環として、企業が収益の一部を基金とし、それを市民活動などへ使ってもらう、という形が一般的ですよね。

このふくしま百年基金は、企業の収益金を基にするのではなく、これからの福島の未来に役立ててほしいという志を持った市民の浄財を広く集め、それを福島のために貢献したい市民や団体などが活用できるしくみづくりなのです。

自分のお金を福島のために使ってもらいたいけれど、どこに託していいか分からない。他方、今後の福島のためになる活動をしたいけれども、どこから資金を調達できるか分からない。そんな両者をつなぐ仕組み、といってもいいかもしれません。

この仕組みだと、誰かが上に立って自分の思うとおりに仕切る、ということは起こらず、設立発起人の誰もが平等な同じ立場で、この基金をどのように運営していくか、率直に知恵を出し合えます。特定の誰かが牛耳ることもできない、ということも、筆者が心惹かれた要因でもあります。

なぜ百年なのか。これは、この基金が目の前のことだけではなく、自分の子どもや孫の世代にとってよりよい福島になっていくための役目を果たし続けてほしい、という願いから出たものです。

と同時に、浪江町出身の発起人の方がおっしゃっていましたが、原発事故で避難を強いられた地域が本当に復興するには残念ながら百年はかかるのではないか、という思いもそこに含まれていることを改めて思いました。

私自身は、この基金が「福島のためだけ」「福島さえよければいい」というようなものになってほしくはありません。この基金を活用した様々な市民活動が、日本の、そして世界のためにもユニークかつ有益な活動事例となり、福島発の様々な貢献につながるものになることを期待します。そして、新しいコミュニティ財団の在り方を世界に向けて提案できるような役目も果たしていければとも思います。

この基金への賛同者を増やし、規模を大きくして、様々な市民活動を促していけるように、ふくしま百年基金をじっくりと育てていかなければならないと思っています。

福島で百年の単位で有益な新たな何かを生み出したい、創っていきたい、そんなモノやコトが起こることを期待して自分もその仲間に加わりたい、と思われる方は、是非、ご賛同いただき、仲間に加わってほしいです。

4月7日現在、設立発起人は174名、寄付総額はまだ720万円にすぎません。そして、4月11日、一般財団法人ふくしま百年基金として正式に登記されました。くしくも、弊社松井グローカル合同会社と同じ設立日となり、何かの縁を感じます。

まだ設立したばかりで、どこへどのように寄付をするのがよいのか、まだインターネット上でははっきりしていないようですので、分かり次第、お知らせするようにいたします。引き続き、ふくしま百年基金にご注目ください。

2018年4月16日月曜日

著名なジャズサックス奏者MALTA氏をインドネシア大使に紹介(動画付)

ひょんなことで、4月12日、日本の著名なジャズ・サックス奏者であるMALTA氏を在日インドネシア大使に紹介する機会を得ました。


MALTA氏と言えば、1970年代から活躍してきたサックス奏者であり、間もなく70歳になる今も、もちろん第一線のプレイヤーとして、各地を飛び回って意欲的な演奏活動を行っています。同時に、東京芸術大学や大阪芸術大学で教鞭をとる一方、全国各地で若手演奏家や子供たち向けにジャズ・サックスを指導して回ってもいます。

 MALTA Official Website

その意欲的な活動を見ていると、頭が下がる思いです。生涯現役を地でいくかっこいい先輩の一人と位置づけました。

筆者はMALTA氏自身を以前から存じておりましたが、実際にお近づきになったのは、昨年11月11日、大分県佐伯市での彼のコンサートでした。そのときの模様は、過去に本ブログの以下の記事で書きました(よろしければご一読ください)。

 音楽で街を魅力的に!音泉街を目指す佐伯の試みは始まったばかり

佐伯では昨年、さいきミュージックアートクラブという市民団体ができ、音楽を通じてまちおこしを進めているのですが、その第1回コンサートの演者として、MALTA氏が登場したのでした。

大分県の一番南端、宮崎県との県境にある佐伯で、MALTA氏の知名度もさほど高くない場所にもかかわらず、コンサートは大いに盛り上がり、成功裏に終えることができました。

MALTA氏のサックスを聴いて体が元気になった、という方がいるという噂も聞きましたが、本当に、体中がスイングしながらどんどん元気になっていくような、そんなMALTA氏の演奏でした。

ちなみに、MALTA氏も佐伯が気に入った様子で、今年9月22日、再び、さいきミュージックアートクラブ主催でMALTA氏のコンサートが実現するそうです。

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そんなMALTA氏が今、インドネシアに興味を持ち始めています。とくに、新しい若手ジャズ・ミュージシャンが続々と頭角を現し、アジア有数のジャズの盛んな場所として、注目されています。

MALTA氏は佐伯でのコンサートをきっかけに、さいきミュージックアートクラブの中心メンバーの一人である山中浩氏と親交を重ね、インドネシアに日系工場を持つ山中氏からインドネシアの魅力を教えられ、さらに興味を深めたようです。

そこで、MALTA氏側から「インドネシア大使館へご挨拶にうかがいたい」という相談を筆者が受け、今回の訪問につながったのでした。

在日インドネシア大使館のアリフィン大使は我々を大歓迎してくださいました。

大使ご自身もジャズがお好きとのことで、ご自分のスマホを取り出し、昔の級友らが結成して活動しているセミプロのジャズバンドや、史上最年少でグラミー賞を獲得したインドネシア人ジャズ・ピアニストのジョイ・アレクサンダー氏(15歳)などの映像をMALTA氏にお見せしては、楽しそうに英語で会話が弾んでいました。

そうしているうちに、大使から「今、ここでサックスを吹かれないんですか」という呼びかけがあり、なんと、MALTA氏は、大使の前で生のサックス演奏までしてしまうのでした。これには、大使も本当に大喜びの様子で、書記官にサックス演奏の様子をスマホで動画に撮らせ、すぐに友人たちへ動画を送るのでした。


わずか30分の面会ではありましたが、初対面にもかかわらず、アリフィン大使に大変歓迎していただき、ここに改めて感謝の意を表する次第です。

MALTA氏は、これまでの経験に基づいた自分の演奏を通じて、日本とインドネシアのさらなる友好関係深化に寄与したいと考えており、インドネシアで演奏の機会があることを願っています。

そして、演奏の機会があれば、併せて、インドネシアの子どもたちや若者たちにサックス演奏のレッスンなどもしてみたいそうです。

MALTA氏は縁やつながりをとても大切にされる方で、一度、インドネシアで演奏できたら、次からは毎年、インドネシアで演奏を続けていきたいとのことです。実際、佐伯には、昨年に続き、今年もコンサートを開催し、「毎年佐伯へ来る」とおっしゃっています。

たとえば、9月8~9日に予定されているジャカルタ・ジャパンまつり(JJM)などに出演できたらいいのではないか、と、元JJM関係者の一人だった筆者としては、個人的に思うのですが、いかがなものでしょうか。

このような機会を通じて、日本とインドネシアをつなげようとする方々のお手伝いができることをとても嬉しく思っています。まだまだ、つなげていきますよ!

(本ブログの内容は近日中にインドネシア語ブログでも発信する予定です)

2018年4月12日木曜日

会社設立1周年を迎えました

2018年4月11日、福島市に松井グローカル合同会社という名の一人会社を設立して1年が経ちました。個人事業主は廃業し、今はこの法人1本です。会社を設立したものの、活動自体は、個人事業主時代とあまり変わらないまま、1年が経ったというのが実状です。

福島市の弊社オフィス前で咲く満開の八重桜

法人を設立して、法務局、税務署、県庁、市役所のほか、健康保険や厚生年金の手続も行い、一人会社とはいえ、法人として必要な手続を曲がりなりにも進めてきました。

まだまだ収入基盤が固まらず、企業としての安定性を作っていくのはこれからです。しかも、自分がやりたいと思っている活動は、どれもが利益第一ではないものばかりで、どのように収入基盤を固めていくのか、まだしばらくは試行錯誤を続けていくことになりそうです。

営業活動をほとんどしてこなかったことも反省材料です。でも、これは、意義のある仕事を求めながら、少しずつ増やしていきたいと考えています。

そうは言うものの、4月になって、今まで仕込んできたものが動き始めたように思えます。

まず、念願の、福島とインドネシアとをつなげる事業が、今年、少なくとも3本、動かせそうです。分野としては、それぞれ農業、教育、文化に関係します。40年ぶりの福島出戻り組として、福島の外の世界への窓としての役割を自覚し、福島に新しい価値を付加できるように活動していきたいと思います。

インドネシア人技能実習生の活用に関するコンサルティングも開始します。幸運にも、福島や東北に所在するインドネシア人技能実習生ネットワークやインドネシア人の方々と知り合い始めており、より有意義な活動を展開していく基礎ができ始めました。

インドネシア人技能実習生の関連では、ほかにも、ある日系企業と組んで、活動する計画があります。詳細が固まっていくなかで、またお知らせできると思います。

地域づくりや地域おこしに関する活動にも、関わっていきます。地域の方々自身が自分たちの足元を見つめ、主体的に地域に関わっていけるような気づきを促す、教えないコンサルティングに磨きをかけていきます。

そのほか、福島以外の日本の地方とインドネシアの地方とをつなげる事業にも関わります。ただ単につなげるだけではなく、そのつながりから創り出されるモノやコトの価値を意識しながら、つなげた後も、しっかりとサポートしていきたいと思っています。

当面は一人で活動していきますが、状況次第では、社員を雇用することも考えていく必要が出てくるかもしれません。また、日本、インドネシア、その他世界の他社と組んで、事業を行っていくことも、考えていきたいです。

なお、福島の弊社と同じ敷地内にある古民家の活用について、様々な人々が安心して活用できる、福島市のパブリック・スペースとして、整えていく考えです。私自身も、いくつかイベントを考えていますが、皆さんのなかで、古民家を使ったイベントや活動をご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。

そんなわけで、1年前よりも、色々わくわくするような展開になりそうな予感があります。まだまだヨチヨチ歩きではありますが、皆様からのご指導・ご鞭撻、そして協働のほどをよろしくお願い申し上げます。

面白いこと、楽しいことをしていきたい、です!



2018年4月8日日曜日

よりどりインドネシア第19号を発行

4月8日、情報ウェブマガジン「よりどりインドネシア」第19号を発行しました。以下のサイトにて、読者登録のうえ、ご覧いただけます。

 よりどりインドネシア第19号

「よりどりインドネシア」は、いくつものインドネシアを日本社会にもっと知ってもらうことを目的に、毎月2回、私が発行しているウェブマガジンです。

今回の「よりどり」は、以下の4本です。

大統領選挙とスクマワティの詩の波紋(松井和久)
スカルノ初代大統領の娘であるスクマワティの読んだ詩が政治的な波紋を呼んでいます。その顛末を説明しました。

スラバヤの新バスは運賃をゴミでも支払える(松井和久)
公共交通機関が退化した町スラバヤ。4月に運行を開始する新バスは運賃をゴミでも支払える!?どういうことなのでしょうか。



ロンボクだより(6):「恋人と一緒に登っていいですか?」(岡本みどり)
今回の岡本みどりさんのロンボクだよりは、恋人とリンジャニ山へ登れるかという問題です。



ソロのナシ・リウェットの思い出(松井和久)
ソロの名物ナシ・リウェット。スラバヤ行きの列車に乗る前に、何とか味わえた経験談を書きました。



「よりどりインドネシア」は、ウェブサイトからクレジットカードにて読者登録いただく方法以外に、銀行振込も可能です(6か月分または1年分まとめてのお支払いとなります)。銀行振込の場合は、毎回、PDF版を指定メールアドレスへ送らせていただきます。請求書、領収証も発行いたします。

また、皆さんからの「いくつものインドネシア」に関する原稿の投稿も募集しております(薄謝ですが原稿料もお支払いします)。

なお、第0号から第18号までのバックナンバーは、こちらからご覧いただけます。

 バックナンバー


引き続き、「よりどりインドネシア」をよろしくお願いいたします。

2018年4月1日日曜日

インドネシア人技能実習生の活用に関するコンサルティングを行います

以下のとおり、技能実習生の活用に関するコンサルティングを行います。

<想定される対象>

すでに技能実習生を活用している事業者、これから活用を考えてみたいと思っている事業者、あるいは、技能実習生を海外から受け入れて事業者へ彼らを派遣している監理団体、などを対象とします。製造業だけでなく、農林水産業なども対象とします。

なお、筆者の専門性を鑑み、対象はインドネシア人技能実習生とします。

福島在住のインドネシア人技能実習生との懇談(2017年11月18日)

<どのようなコンサルティングを行うか>

主に、次の4点を中心としたコンサルティングを行います。長年にわたって、地方を含むインドネシアと関わり、かつ日本や開発途上国の地域づくりや地域産業振興を見てきた筆者ならではの、他とは違うコンサルティングをご提案します。