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2017年10月15日日曜日

穀倉地帯ならではの垂れ幕・看板たち

10月14~15日は、西ジャワ州カラワン県へ行ってきました。

カラワン県はインドネシア有数の米作穀倉地帯として知られており、今回の訪問の目的も、その米作農業の現状についての情報収集でした。

収集した情報についてはここでは披露しませんが、さすが、米どころのカラワン県らしい垂れ幕が店にかかっていたので、それを紹介します。


稲の害虫であるウンカの足に鍵がかかっているの図。ウンカは動けずにそのまま息絶えてしまうのでしょうか。


これも立派な農薬の看板。カラワン県の特約店の前です。


より早く防げば、農民は満足! 天誅(てんちゅう)という名前が付いています。

率直な印象としては、ここでの米作農業の現状は、私が知っていたものよりもはるかに変化していました。本当に、変化が激しいです。常にインドネシアの今を追いかけていけないと、変化についていけなくなりそうな気がしてきます。

今回は、この後、西ジャワ州チアンジュール県、南スラウェシ州ピンラン県、同州バンタエン県で、同様の農業の現況に関するサーベイを行う予定です。

2017年10月11日水曜日

サンシャワー展は本当に良かった!

明日(10/11)から月末までのインドネシア出張の前に、前々からどうしても観ておきたいと思っていた「サンシャワー:東南アジアの現代美術展」へようやく観に行けました。

この展覧会は、国立新美術館と森美術館の2館同時開催で、しかも展示数が多いので、どうしても2日掛かりになってしまいます。夜遅くまで開いている森美術館を10月8日に、国立新美術館を翌9日に訪れました。


東南アジアのアーティストが色々と面白い試みを行っていることは知っていましたが、これだけの数を集めるとさすがに圧巻でした。しかも、その一つ一つに、アーティストのゆるさや柔らかさや軽さを感じつつ、その裏に何とも言えない深い闇やもやもやとして晴れない奥行きが浮かび上がる、そんな作品が多かったと感じました。

2017年10月4日水曜日

福島税務署で残りの諸手続

今日は福島市です。今週は東京で色々と予定が入ってしまったので、福島市にいるのは今日と明日の1泊2日。しかも、明日の夕方5時に東京で予定が入っているので、それに間に合うように、東京へ向かいます。

今回の用事は、税務署です。松井グローカル合同会社を4月に福島市で登記し、色々と手続を済ませてきたのですが、9月分の役員報酬の支払いに伴う源泉徴収所得税納付書を10月10日までに福島税務署へ提出しなければならなかったのでした。

通常、源泉徴収所得税は金融機関の窓口か税務署で期日までに支払うのですが、私の場合は、税務署へ行かなければならないのです。なぜかというと、実は源泉徴収所得税がゼロだからです。

2017年10月2日月曜日

Co-minkan 第1号を訪問しました

9月30日の夜に帰国して、翌10月1日の朝、Co-minkan 第1号のオープニングを見るために、横浜市保土ヶ谷区まで行ってきました。

Co-minkan 第1号になったのは、保土ヶ谷区役所の近くにある峰岡公園の向かいのカフェ「見晴らしのいい場所」という小さな場所です。元はスナックだったというこじんまりとした場所で、Co-minkanが始まったのでした。



Co-minkan というのは、もちろん公民館から来ているのですが、行政が運営する公民館ではなく、民間で作る「こうみんかん」を企図しています。

地元の人が気軽に立ち寄り、お茶でも飲みながら、いろいろおしゃべりをする。そこに行けば悩みや相談を聞いてくれる人がいる。わいわいやっている間に新しいアイディアが浮かんだり、面白いことを思いついたりする。なんだか楽しくなる。

そんな空間を、気軽にみんながあちこちで作り始めたら、もっと温かい人と人とのつながりを意識できる世界が広がっていくのではないか。

2017年9月26日火曜日

グンポルの労働者送り出し機関を訪問

今日(9/25)は、グンポルにある海外への労働者送り出し機関であるLPK Prima Duta Sejati (PDS) を訪問しました。


PDSは1999年に設立され、インドネシア労働力省から認定された送り出し機関として、これまで香港、台湾、シンガポールへ、様々な職種のインドネシア人労働者を送り出してきました。単に送り出すだけでなく、送り出しの前に、送り出し先の言語習得と、職種に応じた職業訓練を施しています。

実際、メイド向けには掃除機の扱い方、洗濯機の扱い方、送り出し先に合わせた調理方法、乳幼児への対処法などの訓練が行われます。介護士向けには、ベッドに寝たきりの方に対する介護手法や、歩行器を使った歩行訓練への補助方法、トイレでの介助法などが訓練されます。

訓練機関は約6ヶ月間で、香港、台湾、シンガポールに受け入れ関係機関も設置し、20年かけて培ってきたノウハウを存分に活用しているということでした。

新たに、PDSは日本の技能実習研修生向けの日本語研修と技能研修を始めました。今後、日本からの様々な職種の技能実習生の受け入れ要請に応える送り出しを行っていくとのことです。

技能実習生の受け入れに興味のある日本企業があれば、是非教えて欲しいということでしたので、ご興味のある方や情報のある方は、個別メールにて matsui@matsui-glocal.com までご連絡ください。

私自身も、インドネシアと日本とを繋ぐ一環として、インドネシア人技能実習生制度が本当の意味での人材育成に資するような形で運営されていくように、微力ながら関わっていきたいと思うようになりました。

そして、何らかの研修終了証明書が発出され、それがインドネシア側で認知され、研修生の帰国後の再就職に役立てられるような仕組みを、様々な方々と一緒に作っていきたいと思い始めました。

さしあたり、日本にいるインドネシア人技能実習生が、インドネシア語でいつでも相談できるホットラインを作りたいと考えています。ご賛同・ご協力いただける方は、個別メールにてご連絡ください。

2017年9月23日土曜日

来週はインドネシア・東ジャワ州へ

今晩(9/23)の便で東京を発ち、9/30までインドネシア・東ジャワ州へ行きます。24日夜と29日夜はスラバヤ泊、25〜28日はマラン泊です。

今回の用務は、今までとはちょっと異なり、民間ベースの用務で、今後の展開を考えると、なかなかチャレンジングなものです。

インドネシアの地方と日本の地方とをつなぐという意味でも意義があり、私にとっても、新たな分野への挑戦になりそうな予感がします。また、これから私たちが、どのような社会を作っていくのか、ということにも大きく関わってくるような気がします。

ちょっと思わせぶりな書き方になりましたが、調査研究ではなく、かといってがっちり儲けるビジネスでもなく、社会起業家というほどかっこよくもない感じです。泥臭くて、収益がそんなに上がらない、でも大きな意味があるもの、と捉えています。

ともかく、久々のスラバヤ、マランを味わってきます。

2017年9月22日金曜日

ロヒンギャを見ながらスハルト時代のインドネシアを思い出す

ミャンマーのロヒンギャをめぐる報道がインドネシア・メディアでも盛んになっています。インドネシアだけでなく、国際社会もまた、「ロヒンギャで民族浄化が進んでいる」などとして、ミャンマー政府に対する批判が広まっています。

インドネシアのムスリムが「ロヒンギャを救え」と強く主張し、こうした国際世論を先導する形となっているのが、とても興味深いです。でも、そのような姿を見ながら、別なことを考えていました。

第1に、多数派と少数派ということ。今回の少数派はイスラム教徒のロヒンギャですが、もしも多数派がイスラム教徒だったら、インドネシアのムスリムは今回のような行動を起こしたかどうか。

インドネシアでも、ムスリム多数派のスンニー派がシーア派やアフマディヤに対して敵意を示し、場合によっては迫害するという事態が起こりました。一部の国際社会はそれを批判しましたが、インドネシア側は、決して少数派の肩を持つような対応をしませんでした。

ずっと時代を遡って、東ティモールがインドネシアからの独立を求めた時。政権中枢部では、実は東ティモールで少数派のイスラム教徒の立場が虐げられているという認識がありました。

インドネシア全体では多数派のイスラム教徒が東ティモール州では少数派。果たして、政権中枢は本当に東ティモールがインドネシアにとって大事だと思っていたのかどうか。もしもイスラム教徒が多数派だったら、話は違っていたのかもしれません。

インドネシアのイスラム勢力が、「たとえどんな宗教であっても種族であっても、少数派への迫害は許さない」という行動を起こせたならば、本当の意味で人権云々を主張できるのではないか、と思うのです。少数派がイスラム教徒であったからこそ、声をあげたのではないか、と思ってしまうのです。


2017年9月18日月曜日

映画「アンダーグラウンド」完全版5時間を観に行く

台風18号が西日本で猛威をふるっていた9月17日の夜、まだ小雨程度で済んでいた東京・恵比寿ガーデンシネマで、エミール・クストリッツァ監督の映画「アンダーグラウンド」(1996年)の完全版を観てきました。

前編で3話、後編で3話の計6話から構成され、前編と後編は別々に鑑賞券が売られる、という形式でした。前編が16:15〜19:00、後編が19:25〜22:05、合わせておよそ5時間以上の作品でした。

時代設定は、ナチス・ドイツによるベオグラード爆撃からユーゴスラビア崩壊までおよそ50年以上のスパンでの物語でした。

しかし歴史大作というわけではなく、出演する人物は、ヒーローや偉人が活躍するわけでもない、人間味あふれたフツーの人々でした。人間のエゴや醜さ、友情と裏切り、信頼と背信などが、時には暴力を伴い、やや露骨に表現されていました。

そんな人々の姿は、基本的に、喜劇として描かれていました。そして、だからこそ、戦争に翻弄され、国家に裏切られ、挙げ句の果てにはその国家さえ失ってしまうということの無情さがかえって迫ってくるような印象を持ちました。

ネタバレになるので、具体的なあらすじは述べません。同じく長編の台湾映画「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」のような、様々な伏線が最後につながっていくようなストーリーの重厚さを感じることはありませんでしたが、手法は違うとはいえ、時代の闇をフツーの人々の目から表現しようとした作品だったのだと思いました。

映画終了後も、しばらく、ずっと作品の中で流れていたブラスバンドの曲が耳から離れませんでした。政治的に物議を醸した映画とも評されているようですが、ストーリーは単純でも、勧善懲悪からは程遠い筋書きでした。

ナチズムにせよ、共産主義にせよ、そして民族対立にせよ、結局はフツーの人々の生きざまとは関係のない話なのだ、という静かなメッセージが聞こえたような気がします。

この写真は結婚披露宴のシーンなのですが、本当の世界を知らないままで幸せを感じている人々の姿が描かれていて、現代を生きる我々自身の状況を示唆しているようにも感じてしまいました。


9月29日まで公開予定ですが、上映スケジュール等については、以下のサイトをご参照ください。

 アンダーグラウンド(完全版):恵比寿ガーデンシネマ

2017年9月16日土曜日

京都の路地裏の町家カフェ

少し前ですが、9月11日、京都で少し時間が空いたので、どこかで一人、しばしゆっくりお茶をしようと思い、町家カフェを探して、見つけたのが「卯晴(うはる)」です。

場所は晴明神社近く、堀川通から西へ少し入ったところで、大宮通からすぐの、ちょっと奥まったところにありました。


基本的には紅茶専門店。たくさんの種類の紅茶を扱っていて、店内で飲むだけでなく、紅茶のみを購入することもできます。

2017年9月13日水曜日

現場へ行ったから分かるとは限らないが、行かなかったらきっと分からないままのこと

先週、気仙沼と陸前高田へ行ってきました。前回行ったのが2012年8月だったので、5年ぶりでした。

陸前高田は、震災による津波で街が物理的に消えてしまった街です。5年前、ひたすら野原が広がるその土地に、壊れたままのいくつかの建物やかろうじて残る住居の区画跡を見ながら、そこで響いていたであろう人々の声やいたいけな子供の笑顔をずっと創造し続けていました。生の痕跡を、自分の体の周りのあちらこちらで感じながら、目をつぶってパッと目を開けたら、目の前に生の街が現れるような、そんな気持ちになりました。

5年経って再訪した陸前高田は、5メートル以上の盛り土がなされ、その上に新しい街を作り始めていました。バイパス沿いにあった花々の列も、壊れたままのスーパーも、亡き人を追悼する墓標も、見えなくなっていました。過去の陸前高田が新たな盛り土によって覆いかぶされ、見えなくなっていました。



2017年9月12日火曜日

4日間乗り放題パスはすごいパスだった

今回の9月5〜8日の石巻、気仙沼、福島の移動には、JR東日本4日間乗り放題という切符を使いました。この切符は、本当にすごいものでした。

それは、大人の休日倶楽部パスというもので、JR東日本のエリアならば、連続した4日間が乗り降り自由(新幹線自由席を含む)、さらに計6回まで新幹線指定席の指定を、追加料金なしで受けられる、というものです。

 大人の休日倶楽部パス

このパスを使いたいがために、今回、大人の休日倶楽部ミドルというのに加入しました。駅のびゅうプラザで申し込んだのですが、その場で仮会員証を発行してもらえ、それを使ってすぐに大人の休日倶楽部パスを購入できたのでした。インターネット登録だと、仮会員証の発行がないので、正式の会員証が届くまで約2週間ほど待つ必要があります。

大人の休日倶楽部JIR東日本全線乗り放題の4日間パスの値段は、15,000円です。


筆者がよく利用する、新幹線自由席での東京=福島往復が計16,440円ですので、それだけでも元が取れてしまいます。

今回は、東京=仙台(新幹線はやぶさ指定席)、仙台=石巻、石巻=気仙沼(途中の前谷地からBRT)、気仙沼=一関=福島、福島=東京、と使いました。ちなみに、新幹線利用で東京=気仙沼往復だと26,420円程度かかります。

なお、この大人の休日倶楽部パスは、発売期間と利用期間が年3回に限定されています。次回の発売期間は2017年12月18日(月)~2018年1月25日(木)、利用期間は2018年1月18日(木)~1月30日(火)です。

これからも、このパスに何度もお世話になりそうです、おそらく。

2017年9月10日日曜日

石巻から気仙沼まで乗ったBRT

今回、石巻から気仙沼へ移動する際、途中の前谷地から乗ったBRTというのは、Bus Rapid Transitの略で、鉄道で結ばれていた路線をバスで繋ぐものです。東日本大震災で普通となった気仙沼線は、鉄道による本格復旧を諦め、BRTで代替しました。JR東日本が運行しています。



上写真は前谷地駅前、下写真は気仙沼駅のBRTバスです。気仙沼駅では、ホームの脇で発着します。

2017年9月5日火曜日

リボーンアート・フェスティバルを垣間見る

ずっと行きたくてなかなか行く機会がなかった、リボーンアート・フェスティバルにようやく行くことができました。

開催地は、宮城県石巻市と牡鹿半島で、「アート・音楽・食の総合祭」と自ら呼んでいます。特色としては、小林武史氏を中心とするAPバンクが資金提供し、行政が主導していないことです。それゆえ、アーティストが自由に様々な表現に挑戦することができる、ということのようです。

本当は一つ一つじっくりと作品を味わいたいところですが、そうも言っていられないので、今回は、手っ取り早く、1日ツアーに申し込みました。このツアー、東京から日帰りでくる人を想定し、11:20に開始、18:00に終了します。私も、朝、東京を出て、ツアーに参加しました。

なお、ツアー代は昼食込みで5000円、さらに2日間有効のフェスティバル・パスポートを購入する必要があります。

平日で、ネット上ではまだ定員に余裕があるようだったので、参加者は少ないかなと思っていたのですが、実際には、バスの座席全てが埋まる、25人の満員でした。

今日は天気にも恵まれましたが、8月中は雨や曇りの日が多く、ツアーガイドによれば、こんな天気の良い日は滅多になかったとのことでした。

そのせいか、予想以上の数のアートを効率的に見ることができました。

まず、リボーンアート・ハウス(関係者やスタッフの事務所兼宿泊所。旧病院)で小林武史×WOW×Daisy Balloonの"D-E-A-U"という不思議なアートをみました。

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その後、牡鹿半島へ向かい、牡鹿ビレッジで、昼食をとりながら、フェスティバルのシンボルにもなっている白い鹿のオブジェを見学。なぜか、ドラゴン・アッシュのメンバーの一人が、トランペットの音色に合わせて、白い鹿の周りで踊る、というパフォーマンスもありました。



2017年9月4日月曜日

マンダール地方の踊る馬

インドネシア・西スラウェシ州ポレワリ・マンダール県には、音楽に合わせて勝手に踊り出す馬がいます。

現地のマンダール語ではサヤン・パトゥドゥ(Sayyang Patuddu)と呼ばれるこの踊る馬(kuda menari)はきれいに着飾られ、それにまたがるのは、やはりきれいに着飾った女の子です。


マンダール地方では、彼女を踊る馬に乗せ、コーランの勉強を終えたお祝いをするという伝統行事が行われてきました。

コーランの勉強を終えた女の子は、その日の夜、先生にお礼の品を贈ります。翌日、まだコーランの勉強を終わっていない女の子と一緒に踊る馬に乗るのです。二人とも、村の子です。

でも、踊る馬に乗る前に、二人はマンダール語の詩を聞きます。そして、踊る馬に乗るのですが、すぐには座らず、何も持たずに馬の上にまたがって立ち、準備ができたことを示します。準備、そう、踊る馬にまたがる準備です。

二人は馬にまたがって、村を練り歩きます。楽隊が太鼓の音を鳴らし始めると、馬が首を上下に降り、脚を上げ下げし、踊り始めます。この踊る馬に大きく揺られながら、馬上の二人が村の中を回っていきます。

この二人が村の中を踊る馬に乗って練り歩くということは、村の中にまだきれいな未婚の女の子がいることを知らせる意味もあります。村の男の子たちが彼女らを眺めて挨拶をします。

Dari Kのカカオツアーでは、毎回、違う村で、女性の参加者を募って、この踊る馬に乗る体験をしてもらっています。今回も、2頭の踊る馬に4人の参加者が挑戦しました。

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このカカオツアーの踊る馬ですが、実は毎年、地元で楽しみにしている方々が大勢いるのです。数年前には、踊る馬に乗る参加者の写真がポレワリ・マンダール県の観光案内に一役買ったのでした。

2017年8月30日水曜日

市場で見かけた小さなイノベーション

カカオツアーでインドネシア・西スラウェシ州ポレワリ・マンダール県に滞在していた際、ツアー参加者と一緒に地元の市場を訪問しました。

市場を訪問するのは、参加者に、カカオのことだけでなく、カカオを生産する地域の経済活動の一端を見ていただき、地域経済全体の中でのカカオの位置付けを認識してもらいたい、という密かな狙いがありました。

訪問したのは、ウォノムルヨ市場。この市場は、言ってみれば、ポレワリ・マンダール県の経済活動の中心地なのですが、地元のマンダール族に加えて、ジャワ族が中心を担っています。

ウォノムルヨ地区はジャワ族が多く住んでいるのですが、彼らの先祖は、オランダ植民地時代からこの地へ移住してきました。飛び地のように、このウォノムルヨ地区にジャワ族が集中して住んでいます。

この市場で、今回、ハッとする光景を目にしました。


何の変哲もないような、地べたに置かれた品物。でも、よく見ると、一つの塊の中に幾つかの品物が積み重ねられています。

塊の中にあるのは、洗剤、石鹸、蚊取り線香など。この塊一つをセットとして販売しているのです。

私もこれまでインドネシアの様々な市場を歩いてきましたが、このように、塊をセットとして売っているのを見たのは初めてでした。

ただそれだけのことなのですが、これもまた、市場で売る商人の工夫といってよいのではないかと思います。これまで、個々に品物を購入してきた人々が、セットでも買えるだけの購買力を持ち始めた証左と見ることもできるでしょう。

また、この売り方は、通常の店ではなかなか難しく、地べたに品物を広げて売るからこそできる売り方、ということもできます。

市場で見かけた小さなイノベーション。そんな小さな変化の中に、インドネシアの社会が確実に変化している様子がうかがえます。