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2016年12月31日土曜日

2016年が過ぎゆくなかで

まもなく、2016年が過ぎようとしています。

たくさんの忘れられぬ出来事があり、たくさんの方々に支えられながら、2016年が過ぎようとしています。

あたりまえの毎日の積み重ねだったのかもしれません。でも、二度と同じ日はやってこないのだから、一日一日をもっともっと大事に過ごしていかなければ、と思います。

正直言って、自分が嫌になることはよくあります。でも、もう少し、二度と同じ日はやってこない、自分の人生を敬ってみたいと思いました。

うれしかったこと、楽しかったこと、苦しかったこと、悲しかったこと、色々な気持ちを思い起こしながら、2016年が過ぎようとしています。

2016年中、皆様には、色々とお世話になり、ありがとうございました。皆様が、そして世界中の人々が一人でも多く、幸せな気持ちで新年を迎えられますことを祈っております。


なお、当方は喪中につき、新年の年賀挨拶は控えさせていただきます。ご容赦のほど、よろしくお願いいたします。

2016年12月24日土曜日

サンタ帽は宗教の押し付けか

この季節になると、インドネシアのショッピングモールやレストランなどで、サンタ帽やトナカイのツノをつけた従業員によく会います。

数年前、マレーシアのクアラルンプール国際空港で、空港職員がジルバブの上からトナカイのツノをつけているのを見たときには、本当に驚きました。とても興味深かったので、思わず、iPadで写真を撮ってしまったのですが・・・。

女性警備員がそれを見ていて、すぐに写真を削除するよう、強硬に求めてきました。マレーシアでは、空港での写真撮影が厳しく禁止されているのです。ジルバブの上からトナカイのツノは、それをうっかり忘れてしまうほど、衝撃的な出会いでした。残念ながら、写真は破棄しました(自動的にクラウドへアップできるものなら良かったのですが)。

その後、インドネシアでも同様にジルバブの上からトナカイのツノをつけている従業員をたくさん見かけることになりました。

しかし、インドネシアで、そうした従業員が上司からの指示で、嫌々ながらトナカイのツノをつけている、という側面があることが報じられました。実際に、どれぐらいの従業員が嫌がっているかはわかりません。気にしない従業員もいることでしょう。でも、従業員の宗教を無視して、上司がトナカイのツノやサンタ帽をつけることを強制してはいけない、という、まあ、当たり前の一般的な世論ができたような気がします。

振り返ってみると、インドネシアでトナカイのツノやサンタ帽が見られるようになって、まだ5年ぐらいしか経っていないような気がします。以前は、そんな姿は見られませんでした。というか、クリスマスは基本的にキリスト教との宗教行事であって、街中やショッピングモールがクリスマスで盛り上がるということは、特になかったと記憶しています。

最近、クリスマスの雰囲気を盛り上げるショッピングモールに白装束のイスラム系団体が押しかけ、イスラム・ウラマー審議会(MUI)が発出した「イスラム教徒が非イスラム教の格好をすることを禁止する」というファトワ(布告)を守らせるため、状況を監視し、ファトワに違反した場合にそれをやめさせようとするという動きがありました。

警察はこうした行為を行き過ぎであるとし、押しかけたイスラム系団体を説得して監視をやめさせようと努めました。宗教大臣は、イスラム系団体による一方的な監視は認めないとし、MUI自身もファトワの遵守は政府・警察などが行うべきとしてイスラム系団体による監視を認めない、という見解を示しました。

このファトワ自体に問題がある、ファトワ遵守が通常の法規の遵守よりも優先されるのか、といった議論はありますが、イスラム系団体が一方的に押しかけて監視することは認められないという点では一致しているようです。

そういえば、中国正月になると、今では、ショッピングモールの警備員たちが中国風の帽子や服装に身を包み、弁髪のような細長い結い髪の付け髪さえつける者さえ現れました。それを初めて見たのは3〜4年前だと思います。

クリスマスも中国正月も、そしてイスラムの断食明けも、すべてが以前よりも賑やかになりました。とくに、ショッピングモールや店々が競ってセールを催し、雰囲気を盛り上げるために、店のディスプレイや従業員の身なりを合わせていったのです。

10年、20年のスパンでこうした変化を見ていると、商業主義の影響がますます大きくなっていくことを実感します。トナカイのツノやサンタ帽は、その象徴といえるかもしれません。


上の写真は、昨年12月にマカッサルの有名な揚げ焼きそば屋Mie Titiで見かけた従業員ですが、この店でこんな様子を見たのは初めてだったので、やっぱり驚きました。

商業主義の浸透、という面は相当に強いのですが、他もやっているから自分たちも、という横並び意識も、商業主義の傾向に輪をかけているように思います。

2016年12月23日金曜日

【お知らせ】「自爆テロ未遂事件の背景」(有料記事)を書きました

以下の有料記事(100円)を書きました。よろしければ、ご笑覧ください。

 自爆テロ未遂事件の背景

中東へ戦士を送り出すイスラム過激派グループの話もちょっと書きました。ご意見、ご批判等ありましたら、よろしくお願いいたします。

2016年12月22日木曜日

便利屋にはならない、ともう一度言う

もう一度、言ってしまいたいのですが、やはり、自分は便利屋にはなりません。お人好しにもなりません。仕事師として生きていきたい、と改めて思います。

インドネシアと関わって30年経ち、地域づくりの勉強やファシリテーションに関わってからも10年以上経つのですが、自分はまだまだ未熟だといつも思っています。

インドネシアは関われば関わるほど分からなくなってくるし、地域づくりやファシリテーションもテクニックで済ませずにやろうとするとどんどん深みにはまってきます。

組織や地位に関わりのない状況となると、それに応じ、世間体を気にして演じる必要もないので、いつまで経っても、フツーの人の感覚で行動することになります。歳相応の態度、というのも分からないし、ある意味、まだ「子ども」のままなのかもしれません。貫禄ってなんだろう、なんて思います。

それでも、やはり、軽く扱われていると思ったり、タダで(あるいは安く)情報を取ろうとする人たちが私に接近してきます。「あなたの宣伝をしてあげるからタダで」と、なんだか心配してくださる方もいます。そういう方々と接していて、なんだか私を使い捨てのように見ていると感じたことがよくありました。実際、そういう方々は、必要なくなれば、私には何もコンタクトをしてこなくなります。

今年も様々な経験をし、学んだのは、仕事として割り切るべき時は割り切る、ということでした。

誠心誠意を込めて一生懸命尽くし、命を賭けるような覚悟で、自分の技の限りを尽くして何かを創ったとしても、その成果を他人が掠め取って、自分の手柄にしてしまう、ということが色々あることがよくわかりました。その他人にとっては、私はただの便利屋に過ぎなかったのです。

はい、あなたの仕事はこれでおしまい、と退場を促され、この後、自分の作ったものがどうなるかも分からずじまいになる、ということが起こってくるでしょう。そして、そこでは、そのような仕事のしかたで構わないのでした。

私は力の入れ方を間違っていたようです。誠心誠意を込めて一生懸命尽くし、命を賭けるような覚悟で、自分の技の限りを尽くす必要など、実はなかったのです。誰かが成果を掠め取っていくということが分かっていれば、最初からテキトーに仕事をしていればよかったのだ、と後悔してもいます。

自分が本当にやるべき「務め」は忘れてはならないのですが、それと収入や報酬を得るためにする「仕事」とは明確に分けて、「仕事」はその収入・報酬額を満たす分だけやればよく、それ以上の価値を生む余計なことはしない。

「いい人ですね」などとおだてられても、報酬なしの(下請け)仕事は基本的に断る、というのを基本にし、その濃淡を明確にしていく。ただし、「仕事」については、必要ならば、依頼主様のご希望には頭を下げて従うように振る舞う(これがなかなか難しい)。

そういったメリハリをつけて割り切って、「務め」の遂行のために「仕事」をする、ということが大事だと学びました。

2回前のブログでお知らせしたように、インドネシアに関する分析記事をノートというSNSを使って有料で書き始めたのは、その情報と分析は、皆さんにお金を払って読んでいただきたいからです。

でも、1本100円という価格設定が適切かどうかがまだ分かりません。それでも、お金を払って読んでくださった方がいたのは大変ありがたいことで、これからも、そこでしか読めないインドネシアの分析記事を(不定期ですが)書いていきたいと思います。

またまた神代植物公園のバラ

2016年12月17日土曜日

立教大学のクリスマスツリー

12月16日は、友人からの依頼で、東京・池袋の立教大学にてゲスト講義を行ってきました。

スーパーグローバル人材育成を目的としている科目らしく、講義は英語で行います。私の講義テーマは「コミュニティ・エンパワーメントと村落開発」、私自身の経歴や活動を踏まえて、自由に講義をしてください、ということでした。

出席者は9名、うち4名は留学生で、ほぼ全員、英語が堪能な様子でした。

私はといえば、色々と詰め込みすぎて、1時間弱ではちょっと足りなくなってしまいました。出席者の自己紹介を聴きながら、立教大学で教えている友人も改めて気づくことが多かったようです。

講義を終えて、キャンパスの出口のほうへ歩いていくと、電飾が施された見事なクリスマスツリーが2本立っていたので、思わず写真を撮りました。


残念ながら、2本一緒は写真に収まらず、1本のみの写真となりました。

この立教大学のクリスマスツリーは有名らしく、外国人観光客もわざわざ見に来るのだそうです。

高さ25メートルの2本のヒマラヤ杉に1150個の色電球が灯っているとのことです。

今流行りの点滅したり、色が変化したりするような電飾ではなく、幾つかの色の明かりが灯っているだけのシンプルなツリーです。そのシンプルさがかえって、見ている自分をホッとさせてくれる、温かな気分にさせてくれるような気がしました。

2016年12月16日金曜日

【お知らせ】noteで有料記事を書き始めました

このたび、noteを活用し、インドネシアの政治・経済・社会等の現状分析記事を不定期で書き始めました。次のリンクからご覧いただければ幸いです。

 noteへのリンク

記事では、スハルト時代を含む過去からの事象や人的ネットワークに関する独自情報も踏まえながら、インドネシアの現状を私なりに分析していきたいと考えています。

このため、誠に僭越ながら、有料記事とさせていただきます(1部100円)。

合わせて、過去に書いた記事も、1部100円にて閲覧可能としていきます。それら記事をまとめたマガジン(有料)も掲載していきます。

インターネットが普及し、インドネシアについても様々な情報が流れるようになりましたが、情報は玉石混交で、読者側の情報に関する取捨選択能力を問われるような状況となってきました。

私自身の流す情報がすべて正しいと断言するつもりはありませんが、少しでもインドネシアについての多角的な理解とより広く深い日本=インドネシア関係の構築につながるような、情報提供をしていければと願っています。

そして、日本向けのインドネシア情報の提供にとどまらず、インドネシア向けの日本情報の提供にも努め、双方向での理解の深化への貢献を目指していきたいと思います。

さらに、情報提供にとどまらず、それが何らかのアクションへつながることも意識し、それを実現すべく活動していきたいとも考えます。

ともかく、まずは私の記事をお読みいただき、忌憚ない意見や批判、コメントをいただければ幸いです。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

なお、このブログ「ぐろーかる日記」では、引き続き、思ったこと、考えたこと、感じたこと、伝えたいことなどを気ままに書きのこしていきます。相変わらずではありますが、食べもののことや日常生活の話も書いていきます。引き続き、お付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

神代植物公園のバラ

2016年12月14日水曜日

マングローブ保全とビジネスの両立

12月7〜11日、今年最後のインドネシア出張として、スラバヤへ行ってきました。

今回は、地球環境戦略研究機関(IGES)の研究員の方からの依頼で、持続可能なコミュニティを目指すための政策を考えるための前提として、環境と共生するスラバヤの地元での活動の現場などを案内する、という仕事でした。

今回は、わずか2週間前に依頼された急な用務でしたが、実質2日間で、スラバヤのいくつかの場所を案内できました。

そのうちの一つは、マングローブ保全活動とコミュニティ開発を両立させているルルット女史のグループの活動です。彼女とお会いするのは、今回で4回目になります。

最初にお会いしたのは、2009年、スラバヤで開かれていたとある展示会の場でした。そのときの様子は、かつてブログに書きましたので、興味ある方は、以下のリンクをご参照ください。

 マングローブからの贈り物

その後、2014年12月には、ジェトロの仕事で、新しいビジネスを志向する中小企業家のインタビューの一環で、お会いしました。以下はそのときの写真です。


彼女の活動の特徴は、マングローブ林の保全・拡大から始まり、マングローブの実や種を使った商品開発を行うことで、環境保護とビジネスとを両立させる活動を実際に実現したことにあります。その代表例として、先のブログ記事にも書いたように、マングローブから抽出した様々な色素を使った、バティック(ろうけつ染め)を作り出したのでした。

ルルットさんは、マングローブの実や種などの成分を分析し、健康によいと判断したものを飲料や食品などに加工し、販売してきました。ジューズ、シロップ、せんべいなどのお菓子やその成分を刷り込んだ麺を開発したほか、石鹸、バティック用洗剤などにも加工してきました。マングローブ加工品はすでに160種類以上開発したということです。

2009年に林業省と契約し、スマトラやカリマンタンでのマングローブ保全とマングローブ活用製品開発のコンサルティングを開始したのをきっかけに、全国各地で、ルルットさんの指導を受けたマングローブ保全グループが立ち上がっていきました。なかには、ルルットさんの指導から自立して、独自に製品開発を行い、それらの製品を外国へ輸出するグループも現れているとのことです。

「これまで何人を指導したのですか」とルルットさんに尋ねると、「数え切れないわ」と言いつつ、ちょっと恥ずかしそうにしながら「数千人」と答えました。

インドネシア全国で、ルルットさんの教えを受けた数千人がマングローブ保全活動とマングローブの恵みを活かしたコミュニティ開発に関わっている、と考えただけで、私たちの目の見えないところで、様々な環境を守り、再生させる努力が地道に行われていることを想像しました。

ルルットさんは、今でも「活動の第一目的はマングローブ保全だ」ときっぱり言います。彼女によれば、マングローブを活用するコミュニティ・ビジネスとして成り立たせていくには、最低でも2haぐらいのマングローブ林が必要で、それまではとにかくマングローブを植え続けることが重要だそうです。

そうでないと、住民はマングローブ林を伐採し始めるのだそうです。彼女が先日行った東南スラウェシ州クンダリの状況は、本当に酷く破壊されていて、まだまだ頑張らねば、とのことでした。

もっとも、ビジネスとして大きくしていくつもりは、あまりないそうです。マングローブ産品の売り上げやルルットさん自身のコンサルタント報酬のほとんどは、マングローブ保全の活動に使っているので、利益はほとんどないと言います。少なからぬ民間企業が共同ビジネスを持ちかけてくるそうですが、全部断っているとのこと。彼女が持っているマングローブ加工のノウハウや成分の活用法などは、門外不出だそうです。

もっとも、彼女は、民間企業がマングローブ保全活動を行うように働きかけてもいます。マングローブ林を破壊したり、海を汚染したりする企業に対して反対運動を仕掛けるのではなく、むしろ、それらの企業のコンサルタントとなって、「マングローブ保全を行うほうが、漁民や住民による反対運動やデモを避けることができる」と説き、排水・廃棄物処理の方法などを企業側にアドバイスする、そうしてコンサルタント報酬もちゃっかりいただく、というなかなかしたたかな側面も見せていました。

それにしても、なぜ彼女はそこまでしてマングローブ保全にのめり込んでいるのでしょうか。その理由が今回初めてわかりました。20年以上前、ルルットさんは難病を患い、体が動かなくなり、歩けなくなって、死を覚悟したそうです。真摯に神に祈りを捧げると、不思議なことに、動かなかった足が少しずつ動き始め、その後2年間のリハビリの末、日常生活へ復帰することができました。

この経験をきっかけに、自分が取り組んできた環境保全の道を命ある限り進んでいこう、と決意したそうです。そんなルルットさんは、本当に、マングローブ保全活動に命をかけているように見えました。

政府からは様々な支援の申し出があるそうですが、ルルットさんはその多くを断り、自前資金で活動を進めることを原則としています。メディアへは、マングローブ保全のさらなる普及のために積極的に出ていますが、それに流されることはありません。

ルルットさんのような方が現場でしっかり活動しているのは、とても心強いことです。我々のような外国の人間は、ともすると、インドネシア政府やメディアでの評判を通じて良い事例を探しがちですが、それは本物を見間違える可能性を秘めています。

私自身、ルルットさんの活動を今後も見守り続けるとともに、彼女のような、地に足をつけて活動している本物をしっかり見つけ出し、他の活動との学び合いの機会を作っていければと思っています。

2016年12月5日月曜日

晩秋の東京で遅ればせながら紅葉狩り

バタバタしているうちに、秋はどんどん遠ざかっていきました。

今年は無理かなと思いつつ、12月1日に某シンクタンクでインドネシア経済についてブリーフィングを行った後、翌2日、妻と一緒に東京の神代植物公園へ行きました。

東京なので、まだ紅葉は残っていて、なんとか間に合いました。








神代植物公園といえば、バラ園も有名ですよね。季節が晩秋ということもあり、咲き誇るという感じではありませんでしたが、バラも色々と咲いていました。ついつい、写真を撮ってしまいます。








これから冬を迎えるこの晩秋という季節に、はかなさというか、寂しさというか、しかし、心が満たされている、言葉にならない不思議な気持ちをいつも抱いてしまいます。

今年ももうすぐ終わっていくのだな。しみじみと、そしてぽつんと、そう思うのです。

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晩秋に出会えて一段落。12月7日から、急に入った今年最後のインドネシア出張(3泊5日)でスラバヤへ行ってきます。