2022年4月2日土曜日

今年の桜は格別に悲しかった


戦後すぐ、この地に植えられたという、我が家の庭の1本の桜の木。もう70年以上も経つ老木で、咲く花の数が少なくなってきた気がして、今年も咲くだろうか、と毎年気になってしまう。

幸い、今年も咲いてくれた。例年と違って、巷の桜よりも少し早く満開になっていた。

桜の木は、寿命が来ると驚くほど花を咲かせ、翌年からは咲かなくなってしまう、と聞いたことがある。だから、ああ、今年も咲いてくれた、と桜の木に感謝の気持ちが湧いてくるのだ。

きょうでもう1週間以上、咲き続けてきたが、数日前から散り始めた。枝の下のほうから咲き、上のほうはちょうど満開。下のほうはもう葉っぱが出てきている。

今年は青空に恵まれた日々が少なく、例年ほど、鮮やかな桜の写真が撮れなかった。妻が足にけがをしたこともあり、例年のような、庭にテーブルと椅子を出して、桜を眺めながらブランチ、もできなかった。ようやく、今日になって、青空に映える桜の花を撮ることができた。

この1・2年、インドネシアでの「親」、恩人、友人・知人、大切な方々とお別れした。その中の何人かは、日本で一緒に桜の花を愛でた。

散りゆく桜を見ながら、今は亡き、私の大切な方々のことを思う。今年の桜は、格別に悲しく感じる桜だった。


2022年1月3日月曜日

2022年の始まりにあたってー地域づくりとインドネシア

あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いいたします。皆さまにとって、2022年が明るく、楽しく、面白い一年となりますよう、祈念いたします。

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新型コロナ禍で東京からどこへも行けない日々に加え、「家族」、恩人、親友など、これまでインドネシアでお世話になってきた大切な方々が次々と旅立っていくなか、昨年は、悲しみから逃れることのできない一年となってしまいました。もうインドネシアから離れてしまう運命なのではないか、という気持ちさえ起こりました。

新年を迎え、ようやく少し気持ちが前向きになってきた気がします。今後は、「地域づくり+多文化共生」と「インドネシア」の2本立てをより強化していきたいと考えています。

バンドゥンの私立シリワンギ教員養成大学のトラ

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●地域づくり+多文化共生

昨年6月からは、JICA東京から外国人材受入・多文化共生に関する用務を請け負っています。技能実習や外国人集住を白黒・善悪で単純化するのではなく、現場を踏まえ、多角的に検証することで、問題の本質を捉え、解決策を提示することに務めたいと思っています。

同時に、これらの課題を地域再生・地域づくりの文脈で捉え、世界各地での地域づくりの動きを俯瞰しながら、今後の日本における新しい地域づくりの方策を追求していきたいと考えています。

●インドネシア

インドネシアに関するコンサルティングや情報発信、調査研究分析、講演などの活動も続けていきます。

【よりどりインドネシア】

月2回発行の情報ウェブマガジン『よりどりインドネシア』は、おかげさまで欠号なく、昨年末までで第108号を発行しました。今後も欠号なく発行を継続します。ご購読をよろしくお願いいたします(購読はこちらから)。

マガジンの発行のほか、2ヵ月に1回程度の頻度で、購読者向けのオンライン・オフ会を開催します。ZOOMのミーティングを使い、参加者をあえて購読者に限定し、内容を録画しないことで、オフレコでの発言も飛び出します。こちらもぜひお楽しみに。

【オンライン講演会】

また、インドネシア大学上級講師のバクティアル・アラム(Bachtiar Alam)氏と一緒に、アジアコンサルト・アソシエーツ=松井グローカル共同のオンライン講演会シリーズを開始しました。バクティアル氏が講演した第1回(2021年11月25日)開催の動画をこちらからご覧いただけます。なお、第2回(2022年2月初めを予定)は私が講演する予定です。内容が固まり次第、お知らせいたしますので、しばしお待ちください。

なお、上記オンライン講演会では、日本語による日本人向けのほか、インドネシア語によるインドネシア人向けも予定しています。こちらも後日、お知らせいたします。

【その他】

上記のほか、オンラインによる講演、ゲスト講義、論文指導なども行います。

また、インドネシアでの事業に関する相談、インドネシア人の日本での起業相談、日本でのインドネシア人技能実習生・特定技能者の活用相談など、インドネシアに関するコンサルティングをオンライン・対面で対応いたします。

さらに、インドネシア語での日本からインドネシアへの発信も構想中です。

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2022年は年男、世間的には定年退職の年齢となりました。でも、私自身は人生の折り返し地点であり、次世代・次々世代にとって明るく楽しく面白くよりよい世界・地域を遺していくために、まだまだやるべきことはたくさんある、という気持ちです。

そのためには、自分自身が明るく楽しく面白くよりよい日々を積み重ねていくこと。先に旅立っていった「家族」、恩人、親友など、これまでインドネシアでお世話になってきた大切な方々のことを思いつつ、前を向きます。

ご指導・ご支援・ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願いいたします。