2022年4月2日土曜日

今年の桜は格別に悲しかった


戦後すぐ、この地に植えられたという、我が家の庭の1本の桜の木。もう70年以上も経つ老木で、咲く花の数が少なくなってきた気がして、今年も咲くだろうか、と毎年気になってしまう。

幸い、今年も咲いてくれた。例年と違って、巷の桜よりも少し早く満開になっていた。

桜の木は、寿命が来ると驚くほど花を咲かせ、翌年からは咲かなくなってしまう、と聞いたことがある。だから、ああ、今年も咲いてくれた、と桜の木に感謝の気持ちが湧いてくるのだ。

きょうでもう1週間以上、咲き続けてきたが、数日前から散り始めた。枝の下のほうから咲き、上のほうはちょうど満開。下のほうはもう葉っぱが出てきている。

今年は青空に恵まれた日々が少なく、例年ほど、鮮やかな桜の写真が撮れなかった。妻が足にけがをしたこともあり、例年のような、庭にテーブルと椅子を出して、桜を眺めながらブランチ、もできなかった。ようやく、今日になって、青空に映える桜の花を撮ることができた。

この1・2年、インドネシアでの「親」、恩人、友人・知人、大切な方々とお別れした。その中の何人かは、日本で一緒に桜の花を愛でた。

散りゆく桜を見ながら、今は亡き、私の大切な方々のことを思う。今年の桜は、格別に悲しく感じる桜だった。