これらのLPKは、何年も経験のある機関ではなく、割と新しく始めた機関で、従来の常識や慣習にまだ染まっていない、理想を語り合える相手でもあります。
日本へ技能実習生を送り出すためには、LPKは送り出し機関(SO: Sending Organizaiton)の認可を受けなければなりません。今、お付き合いを始めているLPKは、まだ新しく、実績を作るのはこれからです。SOになるには、日本の監理団体との間でMoUを結ばなければならないのですが、既存の監理団体との間では、なかなか関係を作れないのが現状です。
まあ、まだ実績がないわけですから、いきなりMoUというのも、難しいのはもちろんのことです。
パダンで協議したLPKのチームメンバー(2019年6月25日)
そこで、今回、彼らから、ある面白い考えが出されました。
そのLPKは、別にもう一つLPKを作り、そのLPKは「溶接」に特化させるというのです。
溶接に特化させたLPKを傘下に置く民間企業を作り、溶接工場を備えて、溶接をビジネスとして行いながら、そこで実習生候補者の事前研修を行う。溶接に技能自体は様々に応用が利くので、独立することも可能と考えています。
今回、国立パダン職業訓練校(BLK Industri Padang)も訪問しましたが、ここで力を入れている技能の一つが溶接でした。もっとも、まだそのレベルは高くなく、国家予算上は3G溶接工レベルまでと想定されていました。高度な溶接技能者の育成は、バンドンにある職業訓練校がそれに特化して行っている、ということです。
溶接といっても、アーク溶接、ガス溶接、ステンレス鋼溶接など、様々な種類があり、日本ではその資格認定基準も細かく定められています。これらを吟味して、現在、そして今後、インドネシアでどの種類の溶接が必要になってくるかを検討し、それを担える人材を作っていくことが求められてくるでしょう。
インドネシアのLPKも、それぞれの特色が求められる段階に入りつつあるかもしれません。パダンのこのLPKは、まずは溶接技能者の育成に傾注し、それがある程度軌道に乗ったら、さらにべつの技能者の育成へ向かいたいと考えています。
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このジャカルタのLPKも活動を開始してまだ間もないのですが、日本語教育にはかなりの自信を持っており、他のLPKの日本語教育部分を請け負うことも検討しています。得意分野を活かした、LPKどうしの横の連携もこれから大事になってくると思いました。
今後、こうした特色のあるインドネシアのLPKと協力関係を保ち、真の技能実習を目指す仲間との関係を少しずつ増やしていきたいと考えています。
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