明日(10/11)から月末までのインドネシア出張の前に、前々からどうしても観ておきたいと思っていた「サンシャワー:東南アジアの現代美術展」へようやく観に行けました。
この展覧会は、国立新美術館と森美術館の2館同時開催で、しかも展示数が多いので、どうしても2日掛かりになってしまいます。夜遅くまで開いている森美術館を10月8日に、国立新美術館を翌9日に訪れました。
東南アジアのアーティストが色々と面白い試みを行っていることは知っていましたが、これだけの数を集めるとさすがに圧巻でした。しかも、その一つ一つに、アーティストのゆるさや柔らかさや軽さを感じつつ、その裏に何とも言えない深い闇やもやもやとして晴れない奥行きが浮かび上がる、そんな作品が多かったと感じました。
彼らの共通の特徴は、社会に対して自分の思想をぶつけていること。それは忘れられた歴史やアイデンティティを取り戻すことであったり、イデオロギーとは異なる人々の身近な生活の中からの政治・社会批判や風刺であったり、常識と思っていることへの疑問であったり・・・。
適当に考えているように見えて、実は深く考えぬいたものを軽やかに表現する。それは、表面的にみれば明るい東南アジアの社会を反映したものなのかもしれません。
様々な意味で自由な表現を虐げられてきた中で、それをあざ笑うかのように、しなやかに自らの表現力を練成させ、常に新しい表現方法で自分の社会への問いかけを表そうとしていく彼らの作品を、今の日本社会の文脈からみると、とても新鮮なものに見えることでしょう。
映像を使った秀逸なアート作品が多く、しかもそれぞれがとても興味深いものでした。自分がもっと時間を2倍ぐらい余裕だったならば、これらの映像作品を心ゆくまで楽しめたであろうに、と少し後悔しました。
サンシャワー展は、とにかく文句なしに面白く、刺激的でした。日本のアーティストともどんどんコラボしていってほしいなあ。まだ観に行っていない方は、ぜひ、時間をゆっくりとって、五感を使って味わってきてほしいです。東京では10月23日まで開催、その後は福岡で開催されます。
近年、地域づくりとアートとの親和性が注目されていますが、9月に行った石巻を中心とするリボーン・アートフェスティバルにも連なる、様々なヒントを個人的に得ることができたのは大きな収穫でした。シンガポールやチェンマイのアーカイブ活動は大いに参考になりました。
ふと、アジアを含む世界中の面白いアーティストたちが福島市に集まって、街の至るところでアート作品を動的に作成し、それを市民がただ観るだけではなくて体験しながら楽しんでいる。すると、市民が即興で自分のアート作品をつくり始める・・・。
目をつぶったら、そんな光景を思い浮かべていました。
そんなの、やってみたい!!
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