2021年に始めたいことがいくつかある。年の初めに宣言しておきたい。とりあえず、今、思いついている3点、すなわち、(1)インドネシア語でインドネシア社会へ向けて発信するメディアを立ち上げる、(2)「よりどりインドネシア」をウェブ情報マガジンからコミュニティへ拡大する、(3)インドネシア・ウォッチャーに限定したクローズド・サロン(私塾)を開始する、を挙げる。
その1:インドネシア語でインドネシア社会へ向けて発信するメディアを立ち上げる
これまでも、インドネシア語での発信は行ってきたが、より積極的かつ継続的に、インドネシア語でインドネシア社会へ向けて発信する。発信媒体としては、ブログ以外に、オンライン+YouTubeチャンネルを活用する。発信内容は大きく2つに分かれる。
第1に、インドネシア語でいくつもの日本を発信する。面白く楽しい観光案内は他へゆずる。日本の政治・経済・社会の現状や課題のほか、日本の地方・ローカルとそこで生きる人々や地域づくりに焦点を当てる。ゲストを招いた場合には、日本人にインドネシア語で発信してもらうほか、私が日本語をインドネシア語に訳して発信する。
第2に、インドネシア語でインドネシアの政治・経済・社会の現状や課題について評論する。今までは多くを日本語で発信してきたが、今後は、インドネシア語でインドネシアについてより多く積極的に発信していく。インドネシアのマクロの問題だけでなく、日本の地域づくりの経験を踏まえて、インドネシアの地方での地域づくりの諸問題により焦点を当てる。
現在、インドネシア人有識者である友人と共同での媒体の立ち上げを計画中。インドネシア語での発信においては、この友人との媒体も有機的に活用する。
その2:「よりどりインドネシア」をウェブ情報マガジンからコミュニティへ拡大する
2021年中に第100号を迎えるウェブ情報マガジン「よりどりインドネシア」のさらなる内容充実を図りながら、インドネシアについて安心してゆるりと楽しく情報交換できる場としての「よりどりインドネシア・オンラインオフ会」を拡充していく。
オンラインオフ会は基本的に「よりどりインドネシア」購読者が対象だが、購読者以外の一般の方々が参加できる「よりどりインドネシア・特別講座」も実施していく。このようにして、「よりどりインドネシア」をウェブ情報マガジンからコミュニティへ拡大させていく。
その3:インドネシア・ウォッチャーに限定したクローズド・サロン(私塾)を開始する
現役のインドネシア・ウォッチャー、およびインドネシア・ウォッチャーにこれからなろうとする方々向けの限定したクローズド・サロンを開始する(おそらくフェイスブックにて)。サロンは一種の私塾のような形で、サロンへの参加者は全員、毎回交代で、インドネシアの直近の重要トピックについて報告し、報告者以外の参加者と議論する。
できれば毎週、あるいは2週間に1回、1時間程度開催したい。オフレコ的な内容を多々含むことになるので、クローズドなサロンとし、参加者には積極的な参加を求める。なお、情報取得のみを目的とする受け身の参加者はお断りする。
なぜ、これらを始めたいのか
ひと言でいえば、将来における日本とインドネシアとの関係を危惧するからである。相対的なものではあるが、日本におけるインドネシアへの関心の低下とともに、インドネシアにおける日本への関心の低下のなかで、双方の相互理解が表面的なものに留まり始めている。情報は氾濫しているのに、である。
情報分析においては、メディアの発達により、直近の詳しい状況はわかっても、それが歴史的に過去の事象や一見関係なさそうな他の事象とどのようにつながっているかについての分析が弱くなっている。また、ジャカルタやバリについての情報に偏り、その他のインドネシア、とくに地方に関する情報分析が不十分になっている。
日本はインドネシアの親日性に安心し、関係を深く根づかせていく努力を進められていない。インドネシアは日本のこれまでの協力に感謝する一方、これから日本がインドネシアと何をしていくのかを問い続けている。他方、中国や韓国などは、ニッケル製錬→EV用蓄電池製造など、明確な意図をもってインドネシアと接し始めている。これから日本はインドネシアと何をしていくのか。それが日本にとってはもちろんだが、インドネシアの今後にとってどのように有益で戦略的なのか、それを日本が語れなければ、より深く尊敬し合える関係をつくることはできない。
国と国との関係ばかり見てきたこれまでの両者の関係も再検討される必要がある。日本におけるインドネシア愛好者とインドネシアにおける日本愛好者のすそ野が広がり、技能実習やアニメだけではない、自動車や観光だけではない、両者の相互理解を深めていく、個々人が増え、できればそれが個人レベルでどんどんつながっていくことが望ましい。
私は、研究者として、コンサルタントとして、35年以上にわたってインドネシアとお付き合いしてきた。これまでは、その比較優位を活用し、インドネシアに関する様々なアドバイスやコンサルティングを行ってきた。そして今、気がついた。これからは、両者をつなぐ仲間をもっと増やすこと、双方に関心をもつ人々のすそ野を広げていくこと、インドネシアのことを想う日本人と日本のことを想うインドネシア人を増やしてつなげていくこと、これをしていこうと。
まずは、日本とインドネシアとの間で。そして、その次は、それぞれからの横展開で、様々な世界の人々やローカルをつないでいきたい。そして、それは、オンラインに頼らざるを得ない今だからこそ、逆に、より可能になったことではないかとも思うのである。
上記に賛同する方、仲間に加わりたい方は、メールで matsui@matsui-glocal.com までご連絡を。同様の呼びかけを、インドネシア語、英語でも行う予定である。
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