前回のブログで、マナド料理の代表として、ナシ・クニン(イエローライス)を紹介しましたが、日本で受け入れられそうなのは、ナシ・クニンだけではありません。今日、ご紹介するのは、お粥と焼魚です。
まずは、お粥から。マナドお粥(Bubur Manado)、あるいはティヌトゥアン(Tinutuan)と呼ばれるものです。マナドの代表的な朝食です。
具に入るのはカボチャ、空心菜、トウモロコシなどの野菜とお粥。肉は入りません。近年、麺を加えることもできるようになりました。
マナドお粥の発祥はよく分かっていませんが、オランダ時代の食糧難のときにありあわせの物でお粥にしたという説があります。ただ、日本でも、戦時中の食糧難の時代にカボチャや芋をお粥で一緒にしてよく食べたことを考えると、もしかすると、戦時中、マナドへ進駐したの日本軍由来の可能性もあるかも、と思ったりします。
マナドお粥を専門に食べさせる店は、1970年代にはあったという話があります。その元祖は、マナド市内のワケケ通り(Jl. Wakeke)にありました。ワケケ通りにあるHotel Queen(現在のQuint Hotel)を出て右へ曲がり、数分歩いた右側の店が元祖です。
昔、1996~2001年に在マカッサルJICA専門家を務めていたとき、マナドへ出張すると、Hotel Queenを定宿にしていました。もちろん、お目当ては、マナドお粥の元祖の店で朝食をとること。Hotel Queenは朝食込みが標準だったのですが、あえてホテルでは朝食をとらず、マナドお粥を目指すのです。
マナドお粥と一緒に食べる付け合わせは、私の場合は、次の二つ。
まずは、カツオの燻製(Cakalang Fufu)。チャカラン・フーフーと呼ばれるもので、市場に行くと、こんなふうに売られています。
新鮮なカツオで作った燻製は、マナドお粥とベストマッチです。
もう一つは、これ。
ニケ(Ikan Nike)という小魚をかき揚げにしたもの。一般にニケ・ゴレン(Nike Goreng)と呼ばれています。
チャカラン・フーフーとニケ・ゴレンをかじりながら、適宜、マナドお粥にサンバル(チリソース)を加えて、ゆっくり食べる。マナドに行ったら、必ず食べる朝食です。
インドネシアには、ナシ・ゴレンやミー・ゴレンなど、脂っこい料理しかないと思っている方がいるなら、このマナドお粥はおすすめです。ヘルシーであっさり。お腹にもやさしい食べ物です。
このマナドお粥、戦時中の食糧難のときに食べた粗末な食べ物、という年配の方々の記憶も呼び起こしてしまうかもしれませんが、ヘルシーで栄養のある美味しい食べ物として、日本でも受け入れられるのではないかという気がします。
マカッサルにも美味しいマナドお粥屋さんがありました。基本的には同じなのですが、カツオの燻製とニケ・ゴレンはなかなか揃わない点で、本場マナドに軍配が上がります。
簡単に作れて、体にもやさしいマナドお粥。日本でも市民権を得るといいな!
日本で受け入れられそうなマナド料理、まだあります。それはまた別の記事で。
0 件のコメント:
コメントを投稿