我が家のすぐ近所には、ハラル食材屋、ベトナム食材屋、ミャンマー食材屋、中国八百屋兼魚屋、この辺では一番値段の安いスーパーがある。
そのうちのハラル食材屋は、品ぞろえがけっこういいので、我が家では時々買いに行く。ロヒンギャ出身のムスリムの方がオーナーである。
そんなお店のなかで、本当に珍しいものが売られているのを目撃した。
冷凍食品コーナーにあったこれは、「ドラムスティック」と書いてある。これをみて、私と妻は叫んでしまった。「ええー、ケロルがある!」
ケロル(Kelor)というのはインドネシア語である。その正体は、最近、日本でもスーパーフードとしてもてはやされているモリンガである。通常、モリンガはその丸い小さな葉っぱを食べるのだが、インドネシアのスラウェシ島の山中や離島で食べたのは、その茎だった。
ココナッツミルク入りのスープにケロルの茎は入っている。ケロルの茎の中心は芯になっていて、そのまわりを剥いだ柔らかい部分を食べるのだ。最初は「???」だったが、慣れればけっこういけるのだ。
あのインドネシアの街中では見ない、山中や離島でしか見なかったケロルの茎が、なんと東京の我が家のすぐそばのハラル食材店の冷凍庫に冷凍食品として売られているとは・・・。
ロヒンギャの店主に訊くと、彼らも「ケロルの茎」をよく食べるのだという。もちろん、彼らの言葉では「ケロル」ではないのだが。
ケロルの茎の奇跡。東京の家のすぐ近くで出会うとは思わなかった。
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