2023年10月15日日曜日

インドネシア関連の原稿執筆スケジュール

私の仕事風景の舞台裏をちょっとご紹介する。

インドネシア関係の執筆活動では、現在、月に2回のウェブ情報マガジン『よりどりインドネシア』の発行のほかに、やはり月2回、アジア各国向けに発行されている日本語情報誌 NNA Asia のインドネシア版に『続・インドネシア政経ウォッチ』を連載している。おおよそ、毎週、どちらかのインドネシアに関する原稿を書いているという日常だ。

『続・インドネシア政経ウォッチ』は政治経済の現状という「生もの」を扱うので、最終校正までにネタの事態が動いてしまい、修正せざるを得ないことが少なくない。連載は毎月第1・3火曜日に掲載されるのだが、その原稿の締め切りは前週の水曜午前中、掲載日の6日前なのである。

8月末に執筆した大統領有力候補への政党支持の記事もそうだった。2024年正副大統領選挙での立候補が有力視される大統領候補は3人いる。当初、この3人各々への政党の支持がほぼ固まった、という旨の記事を書いて編集部へ送った。ところがその後、有力大統領候補AB氏が副大統領候補にMM氏を決定したことで、AB氏を推してきた政党PDが支持を撤回、そしてMM氏を党首とする政党PKBが別の有力大統領候補PS氏への支持からAB氏への支持へ転向する、といった政党支持構造の激変が起こった。

この激変の内幕はけっこう入り組んでいて、これによる大統領選挙自体の意味づけも根本的に変わってしまったのだが、その辺の事情についてここでは触れない。当然、当初の原稿は大きく修正され、掲載日前ギリギリまでの動きを入れながら、なんとか最終稿にこぎつけた。

先週も、10月17日掲載用の原稿を10月11日に書いて送ったのだが、その後、事態が変化し、なかなか逮捕されなかった容疑者が12日に突如逮捕されたため、14日に書き直して、原稿をもう一度送った。内容については、10月17日の NNA Asia インドネシア版をご覧いただきたい。

アジア経済研究所に勤務していた頃から、インドネシア政治経済の現状分析にかかる原稿は、いつも締め切りの最終ギリギリまでの動きを入れる形で書いてきたので、上記のような執筆スケジュールはとくに大変とは思わない。

かつてインターネットがなかった頃は、1週間程度遅れて到着するインドネシアの現地新聞を読んで原稿にしたので、直近の情報は、日本にいると、テレビ・ラジオなどと同じ程度の内容しか取り込めなかった。それが今では、インターネットで最新のインドネシア語情報が記事でもニュース動画でも得ることができ、世界中どこに居ても同じようにインドネシアの最新情報を得ることができる世の中になった。だから逆に、インドネシアに滞在しているならば、メディアでの報道以外の現地でしか入手できない情報をとれなければ意味がないのだ。

『よりどりインドネシア』や『続・インドネシア政経ウォッチ』のような記事を頻繁に書いていると、記事1本書くのにどれぐらいの時間が必要かが大体わかってくる。記事のトピックスを決めるまでの時間、決めてから記事を読み込む時間、実際の執筆時間、これらの目安が建てられるようになる。今のところ、だいたい、『よりどりインドネシア』は1~2日、『続・インドネシア政経ウォッチ』は材料が揃えば執筆自体は1~2時間程度、といったところである。

記事を書くのに要する時間の見当がおおよそつくようになって、原稿を書くことがストレスではなくなった。そして、インドネシア関連の用務の時間とそれ以外の用務の時間とのバランスと切り分けがうまくできるようになった気がする。自分なりのペースがつかめてきた、といったところだろうか。

仕事場(通称:アジト)から歩いて5分程度の所にある「ラモス食堂」という小さなカレー屋にようやく行けた。ここのタイ料理由来のココナッツカレーは、初めて食べたのだが、相当に美味しい。新しい美味しいものに出会えると幸せがまた一つ増える。

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