会議の中でいろいろな話題が出ましたが、「高知らしさって、なんだろう?」という話が結果的には中心だったような気がします。
例えば、高知の水産業は、多品種少量が特徴だそうで、いろいろな種類の水産物が少量ずつ獲れるということです。でも、県は、水産物の輸出促進を新たな政策として掲げているので、輸出の成果をあげなければならないのです。とすれば、量でかせげないので、個々の水産物の価値を上げるしかありません。
高知らしさを生かすような形での戦略を立てなければならないのに、まずは輸出ありき、成果を出せ、といわれた職員たちのちょっと困った様子がうかがえました。チャレンジ!ではあるのですが。
高知らしさと言えば、今日、お昼を食べたひろめ市場も挙げられるのではないでしょうか。フードコートのように、真ん中に食卓が置かれ、それを囲むように色々な飲食店があって、昼間からアルコールを楽しんでいる、その大らかで楽しい雰囲気がまさに「高知らしさ」ではないか、と思ったのです。
昼食でいただいたのは、鰹のたたき定食。ここのは、醤油ダレではなく、塩たたき。鰹のたたきも高知らしさを表しています。
「高知で一番うまいたたきを食べさせる店」と自分で看板に書いてしまうところも高知らしさかもしれません。でも、ここのは本当に美味かったのです。以前食べた、有名高級割烹のたたきよりも美味しかったのです。
相席になっても、笑顔で応じてくださる方々。ひろめ市場は、飾り気のない、フツーの庶民的な雰囲気にあふれた、人間味のある場所でした。きっと、昼からずっと夜までここで呑んだくれる人たちもいて、そんな様子を店の人たちが温かく見守ってくれているような、そんな場所のような気がしました。
人の温かさ、という意味では、高知龍馬空港で見た電話もそうでした。
これは鏡ではありません。セキュリティチェックを終えて出発ロビーに入った方と、見送りに来た方とが、ガラス越しに話のできる電話なのです。
ちょうど、おじいちゃん、おばあちゃん、小さい子供たちが、これから飛行機に乗る若い男女二人を見送りに来ていました。パパとママなのか、おじちゃんとおばちゃんなのか、それはわかりませんが、電話をとって、名残惜しそうにバイバイを繰り返していたのが、とても微笑ましい光景でした。
些細なことですが、この電話も、何となく高知らしさを表しているなあ、と思いました。
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