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2016年7月31日日曜日

バトゥ市の若き農業後継者との出会い

7月27日、東ジャワ州バトゥ市での訪問の最後に、有機農業を進める若い農民に出会いました。彼は農民グループの中心人物で、見せてもらった約0.5haの畑で、様々な工夫をした有機農業を行っていました。

この畑はデモンストレーションと種苗用の畑で、様々な野菜やハーブが植えられていました。野菜のなかで、何種類ものケールが植えられていて、それらは一般用に出荷するのですが、それ以外の野菜やハーブは種苗用で、この畑以外の場所にある12カ所の別の畑で生産しているということです。

ケールや野菜の脇には害虫駆除用の植物が細かく植えられているほか、いくつかの野菜が注意深く組み合わされながら植えられていました。

ハーブなどの苗は、ヨーロッパなどから得られたものを色々と試験的に植えているようです。以前、日本から人参の苗を入手して植えてみたが、うまくいかなかったと言っていました。

この若き農民の父親は、バトゥ市にある農業高校の元校長先生で、退職後、地元に残って有機農業の実践を続けてきました。息子であるこの若き農民は、国営クラカタウ製鉄で機械エンジニアとして働いていましたが、それを辞めて故郷へ戻り、農業後継者として、父とともに、有機農業に取り組んでいます。

そんな彼を見ながら、日本でも優秀な若者たちの一部が地方へ移住して農業に取り組み始めていることを思い出しました。インドネシアでも、同じように、都会や有名企業から地方へ移り、農業を始める若者たちがいました。

これまでインドネシア、とくにジャワ島の農村部を歩きながら、どこでも農業後継者不足という話を聞いてきました。農業は儲からない。未来のない農業を子どもに継がせたくない。そんな声を聞いてきました。

また、ジャワのある地方政府では、後継者がいないので、中国からの大規模ライス・ファーミングの投資を歓迎する、といった話さえ聞こえました。目に言えないところで、インドネシアの農業が壊れていくのではないかという危機感さえ感じてきました。

今回、バトゥ市で出会った若き農業後継者の姿は、そんななかで、とても頼もしく見えました。単に儲けるためではなく、地域のための農業をしていこうという姿勢が鮮明だったからです。そして、自分の農民グループを通じて、その理念を実践する、地に足のついた態度がしっかりしていました。

もしかしたら、バトゥ市からもう一度インドネシアの農業を立て直せるのではないか。

私が福島市の皆さんをお連れしたとき、バトゥ市の農業局長は「農民と地域を守り、一緒にグローバリゼーションの荒波に対抗する農業を進めたい」と語りかけました。そのときの彼の真摯な潤んだ目を忘れることはできません。

バトゥ市の若き農業後継者をいつか日本の若き農業後継者たちとつなげ、お互いに意識し合わせながら、農民と地域を守る、安全安心の農業の未来をつくっていけたら・・・と思わずにいられませんでした。

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