場所はゴワ県ボントノンポ郡にあり、タカラールへ向かう街道から西へちょっと入ったところです。2007年に大学教師を辞めて、父親を説得して土地を譲り受け、緑の館を建設し始めました。現在では、図書館、集会所などの建物に加えて、森や緑地などを整備しています。
特筆すべきは、この地域でなくなった、あるいはなくなりつつある植物の種苗を保存し、実際に植えていることです。さらには、敷地内にある植物の一つ一つの名前や学名はもちろんのこと、その植物を地元社会がどのように活用してきたかを物語として伝えている点です。
例えば、沸騰水にサッパンという木を入れて冷ました水(下の上写真)は、やや赤みがかっていますが、抗酸化作用があるため、飲料に適するだけでなく、昔から地元料理のチョトなどに使われていて、コレステロール分を抑える働きをするそうです。このため、サッパンの木(下の下写真)は切られ、今では手に入れにくくなっているといいます。
友人の話を聞いていると、地元の人々がいかに薬草や植物の活用に関する知識を持っていたかに驚かされ、それを現物とともに後世へ残していこうとする友人の姿に驚かされました。
緑の館は、環境学習施設であると同時に、ワークショップや行事を通じて、様々な人々が集い、コミュニケーションを高め、仲よくなっていく場でもあります。
例えば、いずれ同じ中学校へ進む、地元の4つの小学校の児童を集めてワークショップを行うと、中学校へ進む前に仲良しになって、中学校に入ってからの出身小学校別のグループ化を防ぐ効果があるということでした。
友人は、こうした活動を地道に行なっており、外国人を含む様々な訪問者が訪れ、様々な活動を展開しています。親からの土地を活用できるとはいえ、友人は、大変興味深い活動をしていることで、私も大いに刺激を受けました。
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